賃貸の更新が近づくと、「更新料って払わないといけないの?」「この機会に家賃を下げてもらえないかな」と考える人もいるのではないでしょうか。
更新のときには、更新料のほかにも、火災保険や保証会社の更新料など、まとまったお金がかかることがあります。
この記事では、更新のときにかかるお金と、更新料・家賃を見直せるかどうか、更新の前に確かめたいことをまとめました。
契約書にはっきり書かれた更新料は、金額が高すぎるなどの事情がない限り、有効と判断されています(最高裁、2011年)。一方で、家賃は、周りの同じような部屋と比べて高すぎるなどのときに、減額を求めることが法律で認められています。更新の前に、契約書と周りの家賃の相場を確かめておきましょう。
この記事でわかること
- 賃貸の更新のときにかかるお金
- 更新料と家賃についての法律・裁判のルール
- 更新の前に確かめることと、住み替えと比べる考え方
賃貸の更新のときにかかるお金
| 費用 | どんなお金か |
|---|---|
| 更新料 | 契約を更新するときに大家さんに払うお金。契約書に書かれている場合にかかる |
| 更新事務手数料 | 管理会社などに払う手数料。契約書に書かれている場合にかかる |
| 火災保険の更新 | 入居のときに入った火災保険の更新 |
| 保証会社の更新料 | 家賃保証会社を使っている場合の更新のお金 |
更新でかかるお金は、契約書と、入居のときにもらった書類で決まっています。まずは何がいくらかかるかを書き出しましょう。
更新料は払わないといけない?
更新料については、2011年7月15日に最高裁判所が判断を示しています。
- 賃貸借契約書に一義的かつ具体的に書かれた更新料の条項は、
- 更新料の額が、家賃の額や更新される期間などに照らして高すぎるなどの特別な事情がない限り、
- 消費者契約法10条で無効になるものではない
出典:最高裁判所 平成23年7月15日 第二小法廷判決(平成22年(オ)第863号)/2026年10月21日に判決文で確認
この裁判では、1年ごとに家賃2か月分の更新料が、契約書にはっきり書かれていた例で、更新料の条項は無効ではないと判断されました。契約書に書かれた更新料は、原則として払うものと考えておきましょう。ただし、払い方や金額について、大家さんや管理会社に相談すること自体はできます。
家賃は下げてもらえる?
借地借家法では、家賃が次のような理由で不相当になったときは、契約の条件にかかわらず、将来に向かって家賃の増減を請求できると決められています(第32条)。
- 土地や建物にかかる税金などの負担が増えたり減ったりしたとき
- 土地や建物の価格が上がったり下がったり、経済の事情が変わったとき
- 周りの同じような建物の家賃と比べて、不相当になったとき
出典:借地借家法 第32条(e-Gov法令検索)/2026年10月21日に確認
家賃の減額は、まず大家さんや管理会社と話し合って決めます。話し合いがまとまらないときの手続きも法律で決まっていますが、時間がかかることがあります。
家賃や更新料の交渉で、強い言い方をしたり、根拠のない金額を求めたりすると、話がこじれることがあります。周りの同じような部屋の家賃など、根拠を用意して相談しましょう。契約のことで困ったときは、消費者ホットライン「188」や、住んでいる自治体の住まいの相談窓口に相談できます。
更新の前に確かめること
更新料・更新事務手数料・更新の期間・更新の手続きの期限を確かめます。
火災保険や保証会社の更新も含めて、合計を出します。
同じ駅・同じくらいの広さと築年数の部屋の家賃を、不動産のサイトで調べます。
家賃が周りより高いと感じたら、根拠をまとめて管理会社に相談します。
更新でかかるお金と、引越しでかかるお金・新しい部屋の家賃を比べます。
住み替える場合は、引越し費用と、新しい部屋の初期費用(敷金・礼金・仲介手数料など)もかかります。更新のお金だけでなく、数年間の合計で比べましょう。
世帯ごとの考え方
一人暮らしの場合
部屋が狭くても困らないなら、家賃が低い部屋への住み替えで、毎月の固定費を大きく下げられることがあります。更新のお金と引越しのお金を比べて考えましょう。
共働き夫婦の場合
2人の通勤の便利さと家賃のバランスを考えたい世帯です。更新のタイミングで、今の家賃が周りと比べて高くないかを確かめておきましょう。
子育て世帯の場合
学校や園の都合で、住み替えの時期を選びにくい世帯です。住み替えない場合は、更新でかかるお金を事前に準備し、家賃が周りより高いと感じたら根拠をまとめて相談しましょう。
家賃以外の固定費を見直すと、毎月いくら浮くかの目安は、シミュレーターで出せます。
まとめ
契約書にはっきり書かれた更新料は、高すぎるなどの事情がない限り有効と判断されています。家賃は、周りの同じような部屋と比べて不相当になったときなどに、減額を求めることができます。
更新の前に契約書と周りの家賃を確かめ、住み替える場合は引越しの費用も含めて比べましょう。